ついに観てしまったある映画のはなし
先週とても素敵な映画のようななにかを観ました。
通称『恋ナポ』、正式タイトルは『恋するナポリタン 〜世界で一番おいしい愛され方〜』(こいするナポリタン せかいでいちばんおいしいあいされかた)。
2010年公開、ネット上で大変話題となった作品です。
Wikipediaさんによると、この映画の概要は
少し切ないハートフル・ファンタジー・ラブストーリー。テレビディレクターとして活躍する村谷嘉則の初監督作品。主演は『ゴールデンスランバー』『天地人』の相武紗季、EXILEの眞木大輔、『アウトレイジ』の塚本高史。劇中のヘルシーイタリアンはマドンナのプライベートシェフも勤めたマクロビオティックの西邨マユミが監修し40品以上のオリジナル料理が登場する。ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)では第3位と好評価されている。
キャッチコピーは「最近、好きって言われましたか?」「『好き』って言われて、初めて自分を好きになれた気がする。」。
こんな感じ。
面白そうですねぇ!
そして、DVDのパッケージ裏に書いてあるストーリー概要は
イタリアンシェフの田中武は幼なじみの佐藤瑠璃の留守録メッセージを聞き、瑠璃に想いを伝えようと彼女の元へ向かう途中、ピアニストの槙原佑樹の事故に巻き込まれて亡くなってしまう。佑樹は一命を取り留めたと思われたが、なぜか彼の体には武の記憶が宿っていた。加害者である佑樹が慣れ親しむ武の料理を作れる事に心許せない瑠璃であったが、彼の行動に次第に心を開いていく。
こんな感じ。
面白そうですねぇ!!!
あまりにも素敵すぎる内容なため、またストーリー概要読んでもまったく意味がわからなかった方たちのため、ここからは完全ネタバレで書いていきます。
- 登場人物
主な登場人物は3人。
タケシ:主人公でイタリア料理店のオーナーシェフ(?)でとにかく独立してお店をやっている25歳。25歳で独立とか。
相武紗季:タケシの中学のころからの親友。
エグザイルの人:落ちこぼれピアニスト。
- オープニング
冒頭ではタケシがブツブツ言いながらイタリア料理を作っている。
料理の名前をしゃべっているんだけど、言い慣れていない感が激くて、すでにこの時点で失笑を誘う。すばらしい。
「ブツブツブツブツブツブツ」
相武紗季はタケシと中学の頃からの親友。
タケシの師匠でもあるイタリア料理点のオーナーからプロポーズされ、そのことをタケシに相談しようと電話する。
「うっうー」
ちなみにこれがタケシの師匠で相武紗季の婚約者。明らかにミスキャスト。
タケシは相武紗季の事が好きだった!
そして相武紗季も心の奥底ではタケシのことが好きだったのだ!!
タケシは相武紗季に会うために走りだす。走る。走る。
結構な時間走っているので、そんなに急いでいるならタクシーに乗ったほうがいいんじゃないかと思う。
そのころ、ビルの屋上では何やら怪しい人が何やら怪しい儀式を行なっている。
これがエグザイルの人。たぶん魔術師。
タケシがプロポーズ現場にようやくたどり着くと、もう相武紗季はプロポーズを受けてしまっていた!!
とそこへ、エグザイルの人が落ちてくる。
↑落ちてきています
「あぶない!!」と叫ぶタケシ。
振り向く相武紗季。
エグザイルの人を救おうと(?)タケシは走りだす。
ちなみに、落ちてくる映像があってから走り出すまでに約5秒かかっているんだけど、その間はずっと宙に浮いているのだからやはりエグザイルの人は魔術師なんだと思う。
落ちてくる人を救おうとしているはずなのにどうみてもただつっ立っているだけ。
そしてタケシとエグザイルの人がぶつかる。
暗転。
たぶんすごい悲劇がおきているんだろうなぁ、身体が癒着しちゃったり大変だもんなぁ。
などと思っていると次の映像はこれである。
いったい何が起こったんだ!?
このあと、この二人の周りに羽が出てくるエフェクトがあり、そこでタイトル。
- 主人公死亡
1ヶ月後、エグザイルの人が目覚めると、タケシは死んでいた。
「あんたのせいで人が一人死んだのよ!!!」と母親に怒られるも、エグザイルの人は記憶喪失になっていて何も思い出せない。
それにしても1ヶ月間昏睡状態に陥っていた息子が目を覚ましたというのにまったく喜ぶ素振りを見せない母親もすごいと思う。
エグザイルの人、その正体は魔術師ではなく3年間ひきこもりのピアニストだったのだ!!
3年間引き篭っていたのになぜあの日ビルの屋上に居たのか。
その理由は宇宙と繋がれる気がしたから!!!
家に戻って甥と話しているうちに、頭が痛くなったエグザイルの人は倒れてしまう。
目を覚ましたエグザイルの人に向かって甥が放った言葉は
「良かった〜、死んだかと思ったよ!」
お礼と称してエグザイルの人は急に料理を作り出す。
なんと、タケシの精神がエグザイルの人に入り込んでしまっていたのだ!!!
毎週墓参りに来ていた相武紗季に姉と2人で謝りに行ったあと、こっそり1人で相武紗季に会いに行って
「おれはあなたに恋をしていた・・・気がするんです!!!!」
と言う。
相武紗季からしてみれば、ずっと好きだった親友を過失とは言え、殺した相手からそんな事を言われるのでたまったものではない。
結局そこでは相武紗季に逃げられてしまう。当たり前だバカ。
- 俺の名はナポリたん!!
甥と話していたエグザイルの人は「おじさん」と呼ばれるのを嫌がる。
「じゃぁなんて呼べばいいんだよ」
「俺のことはナポリと呼んでくれ」
「うん、わかったよナポリ!!」
ということでエグザイルの人(中身はタケシ)はナポリになった!!
なんでタケシと呼ばせないんだナポリよ…
このあとエグザイルの人は甥に料理を教え、2人の関係は深くなっていく。
医者によると、エグザイルの人はいつ死んでもおかしくない状態だという。
そこでエグザイルの人は、相武紗季に頼んでタケシのレストランを貸してもらおうとする。
そもそもなんで相武紗季にタケシのレストランの所有権があるのか甚だ疑問であるが、なんだかんだあってエグザイルの人は無事レストランゲット。
タケシの料理の味がするため今までの常連にも認められる。
- そして恋するナポリタン
エグザイルの人は相武紗季に「好きだったんだよぅ」ということを何度も告白する。
そこで相武紗季は「タケシは私にとって都合のいい男だったの!!」というようなことを告白する。ニュアンスは違うけど結局はそういうことを言っているので、なんとも酷い女だ。
最後に「もうタケシは死んだの!私は私を一番愛してくれる人と結婚する!!」と言って
タケシが死んだために先延ばしにしていた結婚をついに(?)決意する。
エグザイルの人は相武紗季の婚約者に結婚式でのシェフをやらせてくれと頼む。
幼少時にタケシは「お前が一番幸せなときにナポリタン作ってやるよ!」と相武紗季と約束していた。
料理その1
これは劇場何度も回想シーンとして現れる幼少時のタケシと相武紗季の思い出の料理である。
しかし結婚式にオムライスとは奇妙だ。
料理その2
相武紗季の父親が死んだ時、悲しみを乗り越えるために相武紗季がタケシに作らせた料理だったと思う。
料理その3
料理っていうかチョコ。相武紗季が昔バレンタインでタケシに渡そうとしていた思い出の…
ただのチョコ。
料理その4
おかゆ…と野菜…
相武紗季がタケシに襲ってもらうために薄着をしまくって風邪をひいていて時にタケシに作らせた料理。
料理その5
ナポリタン。
この日のために研究を重ねた集大成らしい。
どっからどうみても普通のナポリタン…
こんな料理ばっかり出てくる珍結婚式なので、出席者も大変だっただろう。
ナポリタンを食べた相武紗季はついにエグザイルの人をタケシとして認識する。
式場を抜け出した相武紗季にはエグザイルの人がタケシに見えた。
タケシの幻覚に向かって「美味しかった」と今まで一度も伝えてなかったらしい(ひどいはなしだ)言葉をタケシに伝える。
その瞬間エグザイルの人倒れ(演技)、タケシの魂はエグザイルの人から抜け出しエグザイルの人はただのエグザイルの人に戻ったと相武紗季に信じこませる。
そして海浜でエグザイルの人は本当に倒れ、死ぬ。
その後、相武紗季は夫婦でナポリへ移り住み、ナポリでのタケシの師匠(たぶん)にタケシ特製オムライスを食べさせる。
タケシのお店は結局エグザイルの人の甥が継いで(なぜ!?)、終わり。
- ふぅ
恋と料理と難病(?)と、今女性にウケるすべてを詰め込んだ作品。
役者陣もみんな酷い上に、撮り方まで酷い。
しかしだれも何も苦悩せずに自分のことしか考えていないストーリーなので非常にイライラしてくるところを、珍シーンの連続で失笑に変えてくるのは見事である。
ひとりで観るとやるせなさで死にそうになるので、複数人でヤジを飛ばしながら観るのがオススメ。
こんなに素晴らしい映画みたいななにかを観たのは久しぶりだったので、ぜひ観ていただきたい。