豆冨小僧観てきたよ!!


この土曜日に京極夏彦原作の映画,豆腐小僧を観てきたんだけど...
なにこれ最悪.ツマラナイ.まったく面白くない.
久々に大外れ映画を観てしまった...これに1400円(会員価格)を払ったのは本当に勿体無いことをしました...
とことで感想です.多分にネタバレ含みます.どうせ誰も観に行かないよね.



そもそもなんでこの映画観に行ったの!!って言うと,原作がそこそこ面白かったから!っていうのと,豆冨小僧が可愛かったから!!っていう.それだけ.
うん,それだけであんまり前情報も調べずに観てきてしまった.
結果,1400円をドブに捨てることになっちゃったよ.
土曜日の夜にも関わらず,観客が僕しかいなかったのも納得がいきます.貸切状態です.うへへ.


なんでそんなにダメだったの!って言うと…
原作と全く違うってことが1つ.面白く作れるなら原作改変はアリだと思うんだけどさ,改変した意味がまったくわからないのがダメダメ.そしてアニメーションがダメダメ.
豆腐小僧双六道中 ふりだし」というのが原作本(のはず)なんだけれども,この本では主人公である妖怪の豆腐小僧が,いつの間にか存在していた自らの存在理由を求めて旅をするおはなし.妖怪のくせにまったく恐ろしくなく,豆腐をお盆に乗せてもつだけの存在.ほかの妖怪に慄くほどの小心者.
そんな自分がなんでいるのー!!って言う事を探すおはなし.
自分発見のおはなしであり,妖怪ってなんぞやー!!ってことを面白おかしく説明しているおはなしでもあります.



物語の時代は確か江戸時代.昔は人々が恐れていた妖怪という存在が,人々にとって脅威では無くなっちゃって,やがて人には忘れ去られてしまいそうな,妖怪の存続が危うくなってきちゃってる時代.
そんな中で豆腐小僧が妖怪という存在,今までの妖怪と全く違う種類の自分という存在について知っていくのです.



さて映画のほう.
時代設定はなんと現代!ひゃっはー!
妖怪が忘れられつつある時代,ということをさらにわかりやすくするために現代にしました!!
っていうのが理由なのかなぁー.まぁそこら辺は悪くないんじゃないだろうかとは思います.
豆腐小僧の設定としては,なんと見越し入道(妖怪たちの総大将設定)の息子!
いや,なんで見越し入道の息子が豆腐小僧になるんだよ.というツッコミはおいといて.(原作でも家族構成は一緒らしいですね)
姉はろくろっ首!!妖怪の家族構成がよくわかりません(´;ω;`)
(そもそも見越し入道が妖怪の総大将っていう設定がよくわからないなー.デカいというだけでその設定になった気がする)



そしてプロットは…母を探して豆腐小僧がうろちょろする!!
一応旅に出る,という体なんだけれども,やつはただ単にうろちょろしてるだけ.
しかも母の顔も知らないでどうやって探し出すんだよ.わけがわからないよ!



なんか,父ちゃんの見越し入道がものすごいやつなのに,豆腐小僧は人を怖がらせることもできない出来そこないの妖怪…というコンプレックスをいだいていて,それを克服する&自分の存在意義を見つけ出すっていう話ならまだ納得できなくもないんだけど.
豆腐小僧は「父ちゃんなんか大っきらいだー(´;ω;`)」と言って逃げ出すだけ.
最後は結局見越し入道に頼るし...もうなんなんだよお前!



そして豆腐小僧,優しいお母さんが居るはずだ!!ということで飛び出すわけです.
飛び出した先で,妖怪たちの転覆を狙う狸一族にとっつかまります.お堂の中に閉じこめられてしまいます.
その狸の親分が柴衛門狸!!
狸VS妖怪な構図らしいんだけど良く解らん.
そもそも豆腐小僧を閉じ込めたところで何になるの….


よくわからないまま物語は進みます.



さて,豆腐小僧がお堂の中に閉じ込められているうちになんと200年経って…時代は現代に!
200年間何やってたのかって言うと,豆腐小僧についてきた滑稽達磨と一緒ににらめっこやってた!!だけ!!
200年もにらめっこだけやって過ごすってすごいね!!



さてさてやってきたは現代.
現代には妖怪が居なくなってて,狸たちが人間にとりついて好き放題やってました!
ついに狸がなんだかよくわからないけれども大嵐を起こします!
僕がなんとかしなきゃ!といきり立つ豆腐小僧.おもむろにビルの屋上に行くと…
やばいよー助けて父ちゃーん!!と豆腐小僧は泣き叫びます.



すると父ちゃん復活!!ふはははははー!お前のおかげだ,豆腐小僧よ!!お前が我らを復活させたのだー!!!


かくして父ちゃんは狸たちに打ち勝ち,妖怪の世が戻って来たのです.やったね!!


ちなみに豆腐小僧は道中仲良くなった人間のお母さんが死神に連れていかれそうになったので,自分の豆腐と引換に助けてもらいます.
豆腐あげちゃったのでもはや妖怪じゃなくなった豆腐小僧は消えちゃいます.カナシイネ!



でもなんだか良くわからない世界でお母さんから豆腐をもらって豆腐小僧完全復活!!
メデタシメデタシやったねー!




でおしまい.
なんで豆腐小僧は200年経っても消えなかったのー!!という疑問が当然残ります.
どうして父ちゃんは復活したのー!!という疑問も残りますね.
そもそもなんで妖怪は消えちゃったのー!!!とかありますよね.
そのなかで袖引き小僧という妖怪が出てくるのだけれども,なんでやつは消えなかったのー!!
というのも疑問ですね.



ここら辺,妖怪が消えちゃったり豆腐小僧は消えなかったりな説明は原作でしっかりとされています.
そして豆腐小僧の存在意義もわかるのです.



でもでも!!映画の中ではほとんど解答していないのよ!(ちらっと言ってはいたけれども,わかりにくすぎる)
おかげでストーリーが意味不明.あまりにも陳腐.
道中仲良くなる人間の女の子も,なんで豆腐小僧が見えるのかわからん!!
いろいろと説明不足すぎるストーリーでした.



あと,日本初の3D(飛び出すほう)アニメーション!!
てことだったらしいんだけど2Dで鑑賞でした.特に3Dにする必要があったようには思えないし,追加料金払ってまで3Dで観たい映画ではないことは確か.
そして映像がショボいのも気になりました.
これ,劇場用に作ったの??っていうくらい,ぎこちない動きするし….
背景は2D絵,キャラクターは3DCGで描かれているのだけれども,背景との溶け合わなさが酷い.すごく浮いてる.

そして,個人的に一番気に入らなかったのがリップシンクしてないこと!!
厳格なリップシンクはしなくてもいいけれども,セリフがある時にほとんど口が動いていないという謎仕様.
古いPCで新作ゲーム動かしてるかのような,口元のぎこちない動き.

最悪でした.

生涯ワースト映画トップ3くらいに入る勢いで.

興味がある人はどうぞ劇場に観に行ってみてね☆